2025/6/8-9 谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩 中央稜

(正面右側に聳える三角錐が衝立岩)
メンバー:末吉(L)、古川
念願の一ノ倉の登攀。衝立の頭までトップアウトし、全10Pと長い登攀となった。順調に登攀を終え、数年前の幽ノ沢のときと比べて成長を感じることができた。そして、この大岩壁の真っ只中にいられるという充実感はひとしおであった。
【記録】
6/8 13:10 西船橋発、15:10 水上IC、15:40 谷川岳ロープウェイ着。15:55 登山指導センター、16:40 一ノ倉沢出合着。テントを設営。17:00 一ノ倉を眺めながら夕食。末吉さんが別の山岳会の方を誘い語らう。偶然にも末吉さんの知り合いの知り合いであった。流石の顔の広さである。18時過ぎに解散。19:30 就寝。
6/9 4:00 起床。天気は晴れており既に薄明かりでヘッデンは不要。5:10 一ノ倉沢出合発。チェーンスパイクを装着して雪渓を行く。雪渓は出合の末端までありアプローチが楽である。例年よりも雪は多いとのこと。歩を進むにつれて徐々に岩壁が大きくなる。まるで要塞のようでおどろおどろしい。5:35 テールリッジに取付く。3級程度の岩場。FIXはあるがボロボロである。中間部からはスラブ帯。左上するところが少し嫌らしいが、岩は乾いておりフリクションは効く。FIXはとぎれとぎれにあるが外皮がなくなり、今にも切れそう。下山はロープを出すことにした。6:25 中央稜取付。取付から見上げる大岩壁に圧倒されるが恐怖心より高揚感が勝った。6:50 登攀を開始する。リードは末吉さん。
登攀記録
1P目:6:50 凹角を左上。フェースに出て左に乗っ越す。フェースのホールドはピンチホールドが多かった。
2P目:7:20 出だしから烏帽子沢側に回り込み、階段上になった凹角を直上する。情報通り浮石があり落石に注意を要した。このピッチはトランシーバーが通じなかった。
3P目:7:50 正面壁側にトラバースする。高度感がかなりある。手も足もあるが出だしはカチのみ。思ったより手はイマイチ。その後のフェースは手も足もあり登りやすい。
4P目:8:15 今回は4P目を2ピッチに分けて登攀。フェースから短めの凹角。最後の凹角は掴みにくいところがあったが体の向きを意識すれば問題はなかった。
5P目:8:40 今回の登攀の核心部。フェースを上がり後半チムニーとなる。チムニーは手が細かく外傾しているところがある。足もイマイチであった。右側の壁にもたれ掛かり登った。
6P目:9:10 草付きのルンゼに入り、右上してピナクルを目指す。
7P目:9:40 フェースを右上する。多くのパーティがここで登攀を終了するが我々は先に進んだ。
8P目:10:10 左側へトラバースして草付きの凹角を登る。凹角の出だしは、いい手がない。その後はⅡ〜Ⅲ級程度。
9P目:10:40 草付きの簡単な岩場を上がる。
10P目:11:00 9P目のビレイ点からだとロープの流れが悪いため、右側に進み灌木でビレイを実施。草付きの3級程度の岩場を登る。岩が脆く気を使いながら登攀する。11:15 衝立の頭に出る。4時間25分で10Pの登攀を終えた。
11:45 懸垂下降を開始。同ルートを下降した。後続には3パーティーいるが6Pで終了して下山を開始している。衝立の頭まで登攀したパーティーは我々だけであった。ロープがスタックしないようにシングルロープで細かく刻みながら懸垂を実施。10回近く懸垂下降を実施した。支点にかかっている細引きはボロボロな箇所があり、何本か捨て縄をした。途中、他のパーティーが懸垂に苦戦しており30分近く待機。14:45 中央稜取付着。14:55 下山開始。前のパーティーがテールリッジにロープを張ってくれており、ごぼうで下りた。16:00 一ノ倉沢出合着。テントを回収して16:30 出合発。17:10 駐車場着。18:00水上IC、19:55 西船橋着。
古川孝至