2019/4/28~30 奥穂高岳南稜ルート
奥穂高岳南稜ルート(報告:N里)
メンバー:N里、I川
4/28 上高地8:10~岳沢小屋12:30
4/29 岳沢小屋5:10~南稜取付6:00~トリコニー1峰基部10:30~南稜の頭13:30~
奥穂高岳14:10~穂高岳山荘15:20~涸沢ヒュッテ17:00
4/30 涸沢ヒュッテ6:30~岳沢登山口11:00~岳沢小屋13:30~上高地16:00
当初の予定は全装備を背負い、奥穂高岳を超えて涸沢側に降りる予定だったが、全装備を背負っての登攀は体力的に厳しいと判断し、軽量装備で登り吊尾根を経由して奥明神沢を降りて岳沢に戻ってくる周回ルートに変更した。
岳沢は至る所で雪崩のデブリ跡が凄い。雪崩を心配し先に入山していた岳樺クは登らずじまいで昨日下山してしまっていた。
早朝の天気は快晴だが、予報では午後から悪くなるとのこと。岳沢を詰めると先行パーティーが登っているのが見えた。彼らは尾根から離れだいぶ左寄りを登っているように見えた。僕らは尾根左手のルンゼ状から取付く。雪の締まり具合は悪くない。斜面が結構急だったのと雪崩と滑落を心配して、ロープを出しスタカットで進んでいった。藪や灌木を伝って登るのが多いだろうと思っていたが、残雪が多かったためかほとんど雪斜面をピッケルで刺しながら登っていく。快晴だった天気も次第に薄曇りとなり風も出てきてトリコニーに着いた頃には小雪が舞い、稜線はガスでかすんでいた。
トリコニー1峰は尾根右端の基部から登りだす。ルートに見覚えがあるとI川さんがトップで行く。岩峰を抱きかかえて乗り越すなど結構テクニカルなピッチ。あとの3ピッチも特異な形状の岩峰を超えていく。2峰と思しき雪斜面を登り、以降はロープを外して登る。
それからは体力的につらく、終始I川さんに先頭を行ってもらう。稜線上の南稜の頭に出た頃には疲労困憊だった。結局その日の南稜ルートは2パーティーのみのようだ。
天候はさらに悪くなっていたので、吊尾根から岳沢に降りるのは危険と判断し、涸沢に向かうことにした。奥穂高岳頂上から穂高岳山荘に向けて下るが、途中踏み跡が薄くなり、一時ルートを見失う。やっと薄く残っていた踏み跡を見つけたが、下りが急斜面だったために後ろ向きにピックを差しながら下降した。途中から雪が切れ見覚えのある岩稜帯を降り山荘へ。そこで涸沢ヒュッテに宿泊の電話を入れ、ガスで見えないなか小屋を目指して降りていく。途中では滑落し骨折した女性を救助する救助隊とも遭遇する。
小屋で快適な一夜を過ごし、最終日は朝から雪が降るなか下り、岳沢の登山口から登り返しテントを回収し上高地に下山となった。
今回の山行では技術的には問題なかったが、体力的には厳しいものがあった。全装備を背負っていたら完登は無理だったかと思う。同行していただいたI川さんに感謝感謝。