2026/8/11 倉沢谷本谷

さぁ、ここからが本番
水流に抗う

メンバー:古川(L)、会員外3名

スケジュール
5:05船橋発ー7:40倉沢橋横の駐車地着ー8:25駐車地発ー8:35入渓ー12:30脱渓(倉沢鍾乳洞の横から)ー13:07駐車地ー13:50もえぎの湯着ー15:05もえぎの湯発ー18:05船橋着

山行報告
今回は、沢登りが初めてとなる3名を連れて、奥多摩の倉沢谷本谷を遡行した。当日の奥多摩は最高気温25℃前後とやや低め。倉沢谷本谷は泳ぎが多い沢のため、寒さが心配され、丹沢のマスキ嵐沢への変更も検討していた。しかし、せっかくの初めての沢登り。沢登りの楽しさを味わってもらいたい。そう考え、予定どおり倉沢谷本谷へ向かうことにした。

駐車地に到着すると、我々が一番乗り。ほどなくして釣り師と沢屋の車も到着し、最終的には3台となった。沢屋は塩地谷へ向かうとのことで、本谷へ入るのは我々だけのようだ。気温が低いため、到着後は急いで準備せず、少しでも暖かくなるのを待ちながらゆっくり支度をする。

アプローチは駐車地から数分と非常に短く楽である。右側の斜面にある踏み跡を辿るが、急斜面の下りとなるため、滑らないよう慎重に進む。上部にはトラロープも設置されていた。

入渓後は、やはり水が冷たい。最初のうちは積極的に水へ入らず、巻けるところは巻きながら進む。最初の核心となる2段5m滝も右から巻いた。歩いているうちに徐々に体が温まってきたため、八幡沢手前の1m滝からは積極的に水へ入っていく。ここまでは順調そのもの。

八幡沢出合を越えると、ゴルジュ状の2m滝が現れる。前回は巻いた場所だが、今回は水流突破に挑戦する。そして、ここで今回の「入渓の儀」を執り行うことにした。手を合わせ、「入渓の儀!」と声を上げながら全身を水へ沈める。初めて沢に来た3名も続々と水へ。無事に儀式を終え、これで全員が正式な沢屋だ(笑)。2m滝は全員問題なく登ることができたが、ここでSさんが上腕三頭筋を痛める。

さらに進むと、突然Kさんの悲鳴が響き渡る。何事かと思って振り返ると、岩に張り付く大きなヒキガエル。その後もヒキガエルが現れる。N君とSさんは躊躇なく捕獲。一方、Kさんは悲鳴を上げる。「捕まえる人」と「逃げる人」の構図はなんとも面白い光景である。

今回、泳ぎの核心となったのは、鳴瀬橋の先にある2m滝の釜。まずKさんが綺麗な平泳ぎで突破。さすがスイマー、泳ぎが違う。クライマーのN君も問題なく突破した。

そしてSさんの番。水に入る前から顔が強張り、かなり緊張している様子。後から聞くと、どうやって突破するのかイメージがつかなかったとのこと。いざ釜へ入ると、想像以上に深く足がつかずパニックとなる。「溺れる!溺れる!助けて!」とSOSが発令された。
すぐに救助に向かい、いったん浅瀬へ移動。ここは簡単に巻くこともできるが、Sさん本人から「ロープで確保して突破したい」との希望があり、ロープを使用して突破することにした。Sさんが空荷で泳げるよう、N君がSさんのザックを回収するため、再び釜へ入ってくれた。しかし、浮力を確保するためにはザックを背負ったままのほうが泳ぎやすいと判断し、最終的にはSさん自身がザックを背負ったまま挑戦することに。N君は再び滝を登ったが、Sさんの後方支援のためもう一度釜へ入る。結果、この滝をなんと合計3回も登ることになった。沢登り初めてとは思えない見事な動きである。さすが、機転の利く漢・N君。
私が滝上に上がってロープで確保。Sさんはロープを引きながら泳いで滝へ取り付く。そこからN君が後方からホールドの位置を指示し、さらに足を置くステップまで作ってサポート。Sさんも一歩ずつ登り、無事に滝を越えることができた。その一部始終を撮影するKさん。確保する人、登る人、サポートする人、撮影する人。役割分担が素晴らしく、まさにチームワークの勝利。これぞ沢登りの醍醐味である。

その先に現れるのが、綺麗な釜を持つ3m滝。今回の滝登りの核心はこちら。右側下部まではスリングが垂れているものの、上部には足場がほとんどない。最後はパワームーブで一気に越える。私とN君はフリーで突破し、残る2名はロープで確保して引き上げた。

続くCS1m滝は右側から登る。ハイステップで左足に荷重するところが難しく、ここではお助け紐を使用。2名を引っ張り上げて突破した。

さらに進むと、釜を持つ5m滝が現れる。ここは右側から巻く。踏み跡はあるもののかなり急峻なので、足元を確認しながら慎重に通過した。

堰堤手前で林道へ上がり、堰堤を越えてから再び沢へ戻る。

ここからは一転して穏やかな渓相となる。しばらく沢を歩くと倉沢鍾乳洞が現れ、最後に記念撮影。ここで今回の遡行を終了し、脱渓した。

下山は林道を40分弱歩いて駐車地へ戻る。道は非常に歩きやすく、最後はのんびりと歩いてゴール。

今回の倉沢谷本谷は、泳ぎあり、滝登りあり、適度なスリルあり、さらに林道が並走しているためエスケープもしやすい。沢登り初心者には、とても良い沢だと感じた。何より、初めて沢登りをした2名から「楽しかった」と言ってもらえて感無量である。Sさんからは、「深いところがなければ、また行きたい」とのコメント。ひとまず、沢登りの楽しさは伝わったようで安心した。

帰りは奥多摩のもえぎの湯へ立ち寄って入浴。濡れた衣服のまま施設へ入ると、体が一気に冷えてしまったが、温泉に浸かると冷え切った体が芯から温まった。大人3時間1,200円。とろみのある泉質。祝日ということもありかなり混雑していた。

帰路は程よい渋滞に巻き込まれながら、約3時間で帰葉。そして、車内でN君自家製の梅干しをいただいた。外側はカリカリ、中は柔らかく、しっかり効いた塩分が疲れた体に沁み渡る。沢で散々水に浸かった一日の締めに、最後は梅干しで水分ならぬ塩分補給。最高の一粒だった。

古川