2026/8/7 乾徳山 旗立岩 中央稜


メンバー:古川(L)、S田
スケジュール
5:00市川発ー7:30大平駐車場着ー7:45大平駐車場発ー9:50旗立岩中央稜取付ー10:25登攀開始ー12:30終了点ー13:10乾徳山山頂ー14:40大平駐車場ー19:30市川
当初は前穂高岳北尾根を登攀する予定であったが、雨天のため乾徳山旗立岩中央稜へ変更した。前穂高岳北尾根と比較すると行程は短いものの、実際の登攀ではクライミングの要素が強く、ルートファインディングや中間支点の選択など、アルパインクライミングにおける判断力を求められるルートであった。
アプローチ
大平牧場駐車場(800円)から入山し、旗立岩まで約2時間。通常は胎内と呼ばれる大岩付近まで進み、その周辺から懸垂下降して取り付くが、今回は高原ヒュッテから北西方向へ進み、標高約1,900m付近で登山道を右に外れ、斜面をトラバースして取り付いた。トラバースを進むと、要塞のような迫力のある岩場が現れた。
なお、アプローチ途中にコンビニで購入したパンを高温になった車内に置き忘れるというトラブルがあった。別途行動食を持参していたため、行動中のエネルギー補給には支障はなかった。高温に晒されたパンは下山後にS田さんに引き取っていただいた。翌日の朝食にして頂けることに。
登攀
1P目
やや右上してリッジに上がり、そのままリッジを直上。小ハングを越えた後、右方向へトラバースした。今回の核心となったピッチ。事前情報から「右へ進む」という意識が強く、早い段階で右方向へトラバースしようとしてルート選択に迷った。実際の岩場を観察しながら適切なラインを判断することの難しさを感じた。
小ハングの乗越では、外傾したホールドが多く、安定した足場も少なかったため、精神的なプレッシャーが大きかった。また、中間支点の位置によってロープが大きく屈曲し、ロープが重くなった。登攀中にロープに後方へ引かれる感覚があり、登りにくさと恐怖感が増し、乗越の際には思わず雄叫びをあげながら登った。今回の登攀の中でも特に印象に残った。1P目の終了点は第一ピナクルとされているが、今回は右方向へトラバースした先にあるハーケン3本を終了点として支点を構築した。
2P目
クラック沿いに直上したあとにそのまま直上する。1P目と比較してロープの屈曲が少なく、比較的スムーズに登攀できた。ハーケンは見当たらず、中間支点はすべてカムを使用。終了点は第二ピナクル。ピナクルにスリングをかけて支点を構築した。
3P目
リッジ上を進み、最後のフェイスを右側のカンテを利用して登攀した。出だしのリッジ上に赤ちゃんくらいの浮き石が多く緊張感があった。中間支点は主にカムを使用。最後のフェイス基部にはハーケンがあったが、その上部にはカムを設置できるクラックが見当たらず、プロテクションに不安がある状態での登攀となった。さらにロープが屈曲したことでロープが重くなり、腕力・脚力を使ってロープを引きながら登る場面があった。終了点にはペツル製ハンガーボルトが2本設置されていた。終了点から数m歩くと広場に到着した。
山頂
広場から数分で乾徳山山頂直下の鳳岩に到着。頑丈な鎖が設置されているが、岩面は多くの登山者によって磨かれており、滑りやすい状態であった。鎖を利用して登攀し、乾徳山山頂へ到着した。
下山・帰路
一般登山道から下山。下山後、中央道を利用して帰路についた。中央道の渋滞により、帰葉まで約4時間30分を要した。
所感・反省点
今回は全3ピッチをリードすることができ、アルパインクライミングにおける課題を多く確認することができた。
- ルートファインディング
事前情報に頼りすぎず、実際の岩場を観察して登攀ラインを判断する必要がある。今回、事前情報から「右へ進む」という意識が強くなり、1P目でルート選択に迷う場面があった。 - 中間支点の取り方
支点の強度だけでなく、ロープの流れを考慮して設置位置を選択する必要がある。今回、ロープの屈曲が大きくなり、登攀時にロープが重くなる場面があった。 - 装備の選択
通常のヌンチャクだけでなく、アルパインヌンチャクを多めに準備する必要性を感じた。また、ロープの屈曲が多くなるルートでは、ダブルロープの使用についても検討したい。 - リード時の精神面
支点やホールド、足場などに不確実な要素が多い状況では、技術面だけでなく精神的な強さも重要であると感じた。特に1P目では、乗越やロープの重さなどが重なり、一歩を踏み出す際に心理的な負荷が大きかった。
今回、全ピッチをリードしたことで、普段のフォローでは意識しにくいルートファインディング、中間支点の選択、ロープの流れ、リード時の心理的負荷などを実際に経験することができた。
今後は今回の反省を活かし、より安全かつ効率的な登攀ができるよう、ルート観察と支点選択の精度を高めていきたい。
古川孝至




























